野菜

八木農園

八木 信彰 さん

愛知県豊橋市

卸売市場との信頼関係を大切に
とうがんの栽培に心を込める

就農のきっかけ

8代目としての覚悟

愛知県豊橋市で農業を営んでいる八木さん。江戸時代から続く農地を受け継ぎ、育てていくその想いをお聞きしました。

- ご出身はどちらでしょうか?

「ここ愛知県豊橋市で生まれ育ちました。私が江戸時代から続くこの農地の8代目となっています。季節ごとに、数種類の野菜を栽培しています。」

- 8代目とはすごいですね!いつ頃から就農を意識されていたのでしょうか?

「小学校の頃から週末は畑の手伝いをしており、高校、大学と農業系の学校で学びました。卒業後は農業資材の会社に就職する予定でしたが、当時は祖父母と父で作業しており、その助けになればと考えて、農園を継ぎました。」

- やはり学生の頃から専門的な勉強をされていたのですね。何か印象に残っていることはありますでしょうか?

「高校には最新鋭のハウス設備などもあって、勉強になりました。だだ、実際に導入するには大きな初期投資が必要となるのですが(笑)。」

現在の取り組み

市場との信頼関係を守ること

- 現在はどのような品種を栽培されているのでしょうか。

「夏はとうがん、秋はサニーレタス、冬はキャベツをメインに栽培しています。特にとうがん栽培に力を入れています。冬の食べ物だと思われていますが、6月~11月位まで栽培できるんですよ!」

- 確かにとうがんは、”冬瓜”と書くだけあって冬のイメージがありますね(笑)。どのように販売されているのですか?

「現在は、青果物の卸売市場をメインに卸しています。現在は、”八木農園のとうがん”として引き取っていただいているので、その信頼を守っていくことを大切にしています。」

「その市場から、スーパーや小売店、飲食店などに出荷されるのですが、昨年からのコロナの影響で外食産業が打撃を受けていまして…。それが市場や農家にも影響が及んでいるのです。そのため市場に出荷せずに、土に還す野菜もあるんですよ。」

- そうなんですか!?とうがんを始めとした素晴らしい野菜まで影響を受けていることを知ると、複雑な気持ちになりますね…。

決断

スイカからとうがんへ

- 10年前にスイカからとうがんに切り替えた理由は何だったのでしょうか?

「まず作り方が似ている点ですね。あと、スイカは単価が高いのですが、とうがんはスイカより多く栽培できることに可能性を感じました。」

- 最近は土づくりにもこだわっていらっしゃるのですね。

「はい。ここ2~3年は堆肥を混ぜて、改めて土づくりをしています。堆肥を入れると植物は元気になるのですが、元気過ぎると実がつかないのです。実がつく前に木の枝が太くなると成長の方向に力が入ってしまい、繁殖しなくなるのです。とはいえ、最初に肥料を切り詰めると木のエネルギーが弱くなってしまいます。やはり、バランスが大切ですね。」

- 10年たった現在も試行錯誤をされているのですね。ちなみに、とうがんはどのような調理法があるのでしょうか。

「夏が旬の野菜なので、冷やしてスライサーでカットして、サラダとしてもいいですし、煮た後に冷やして冷製スープにしても美味しいですよ!」

- 早速チャレンジしてみますね!

今後のビジョン

当たり前を大切にしていく

- 今後のビジョンを教えてください。

「当たり前のことを当たり前のように続けていくことが大切だと思います。それが8代続いてきた農園を継ぐ上で大切なことだと感じています。」

- 最後に、新規就農を希望されている方へアドバイスをお願いします。

「農業系の高校や大学で学ぶと、JAや農業関連企業の求人も多くありますし、やりたい作物があれば、最新鋭の栽培をしている農家さんのところで何年か修行する道もあります。可能性は広がっていきますよ。」

「農業は楽しいですよ。自分で作ってできたものを見ると毎回感動しますし、知り合いに渡して、美味しいよと言ってもらえるだけでも本当に嬉しいです!」


農業が盛んな愛知県豊橋市で、8代続く農園を守る八木さん。変えることと変えないことを見極めながら挑戦する姿勢は、コロナ渦を越えた時、必ず花開くと感じます。
皆様も是非、とうがんの冷製スープにチャレンジしてみてください!

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